醜形恐怖症日記 〜僕と薄毛〜

20代後半で薄毛が原因で醜形恐怖症を患い、会社を休職してから克服して行くまでの経験を4コマ漫画で赤裸々に綴っています。

【第20話】気付き

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こんにちは。shu-changです。

 

結局、復職して結婚した後も、髪への執着と他人の目からの恐怖は無くなることはなく、以前のように職場にいることが辛い状態に戻っていきました。

 

そして帰宅後も無意識のうちに、陰鬱な雰囲気を漂わせていたせいか、僕の状態は自分を理解し、支えてくれると言ってくれた妻の精神状態にも徐々に悪影響を与えていたのです。

 

その頃の妻は慣れない土地で初めての育児をする辛さと、唯一会う同居人の僕がこんな状態だったので二重のストレスを受けていました。

 

妻には本当に申し訳ないことをしたと思います…。

 

妻の「実家に帰らせて欲しい」という言葉は僕が今一番に向き合わなければならないのは家族だということを気付かせてくれました。

 

家族のためだと思って自分を苦しめて働くことが、家族を苦しめていたのです。

【第19話】復職後

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こんにちは。shu-changです。

 

復職後も僕は定期的に地元に戻り、come-koさんと交際を続けていました。

 

醜形恐怖症を克服してから結婚することにこだわり、結婚を先延ばしにしていた僕と彼女の間で少しズレが生じる時期もありましたが、come-koさんの「結婚して守るべきものができたらきっと病気も良くなる」という言葉に背中を押され、復職から1年後、無事結婚することになりました。

 

さらに1年後には待望の子供も生まれました。

(ちなみに妊娠前から妊娠までは抗うつ薬と薄毛治療薬は約2ヶ月中止しています。)

 

家族もでき、結婚生活も順調にいく一方、髪の毛への執着は消えることはなく、また少しずつ抗うつ薬と薄毛治療薬の服用を繰り返す日々に戻っていきました。

 

復職して気づいたことは、周りの皆が皆友好的な態度ではなく、復職してしばらく経つと自分が休職していたことが無かったかのように、また自分に対して心ない言葉をつぶやく人が現れ始めたことです。

 

原因はどうあれ、会社を休職されて復職される方は、批判的な人はどんな状況でも一定数はいるのだと理解されて復職されると復職後のダメージが少ないと思います。

 

もし、職場の人そのものが原因なのであれば、主治医は職場を変える形での復職をサポートしてくれるので相談してみることをお勧めします。

 

僕自身も嫌な要素は取り除いてから復職することが大事だと主治医からよく言われました。(そう言ってきながら、当時の僕も本当に嫌な根本的要因を取り除けていなかったのですが…)

 

やがて順調だった結婚生活も、僕が髪への執着と職場でのストレスを家庭内に持ち込むようになり、悪い方向に傾きつつありました。

【第18話】薄く見せなきゃ

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こんにちは。shu-changです。

 

復職後は最初は就業時間の短い時短勤務で働き、徐々に体を慣らしていきました。

 

周りの反応はあっさりしたもので、心配していた「不自然に増えた髪の毛」に触れられることはありませんでした。

 

復職して気づいたことは、職場にいてストレスを感じる度に、以前感じた恐怖を体が思い出すということです。

 

ストレスを感じる→

頭に対する何とも言えない違和感を感じる。(ムーディ勝山の後頭部に違和感がある〜♪の怖いバージョン)→

髪をもっと薄く見せないといけない→

これではちょっと薄いので濃く見せないといけない

→これでは濃すぎなので薄く見せないと…

 

という具合です。

 

以前感じた時と異なるのは「薄く見せなきゃいけない」という強迫観念が追加されていることでした。

 

結局、自分は髪を生やしたいのか、そうでないのか?何をしたいのか分からなくなっていました。

 

※僕が髪を濃く見せなきゃいけない、薄く見せなきゃいけないと行ったり来たりしていたのは飲んでいた薬のせいもあると思います。

 

攻めのミノキシジル、守りのプロペシアと言われますが、(過去記事参照↓)

bdd-diary-usuge.hatenablog.com

 

僕は服用初期で鬱症状が出たことにより、プロペシアを中断し、ミノキシジルのみを服用していました。(実際にプロペシアによる鬱症状の副作用の報告は数%のため、それが原因であったかどうかは分かりません。)

 

そのため髪を生やす力のみに頼り、抜け毛を減らす力が足りていなかったため、髪の量がなかなか安定しなかったのかもしれません。

 

このミノキシジルという薬は効果が強い分、止めると反動が大きく大量に髪の毛が抜ける場合があります。

 

後日、通った病院の良心的な医者は確かに髪の毛は生えるが、ずっと飲み続けるような薬ではないとおっしゃっていました。(ただ中止すると大量に抜けてしまうので、泣く泣く最低限の量で続けざるをえない方も多いとのこと…。)

 

特に妊娠予定のある女性が妊娠前から妊娠後にかけて服用を中止すると、中止による抜け毛と妊娠後の脱毛で更に大量に抜け、精神衛生上良くないということです。

 

もし服用するのであれば相当の覚悟のいる薬だと思います。

【第17話】そして復職へ

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こんにちは。shu-changです。

 

療養生活は約半年間続きました。

 

その間もカム子さんとの交際は続き、復職して僕の状態が安定したら結婚することを約束して、僕は再び職場のある街へと戻りました。

 

薄毛治療の効果もあり、頭皮は完全に見えなくなっていました…。

 

これで薄毛への不安や恐怖も消え、新たな気持ちで再スタート!となれば話は単純なのですが、また新たな恐怖が生まれてきます。

 

以前の記事で、醜形恐怖症患者が気になる部分を整形手術で治しても、満足できる場合は少なく、更に手術を繰り返したり、今度は別の部分が気になりだすケースがあるという事を書いたのを覚えていらっしゃるでしょうか?

 

bdd-diary-usuge.hatenablog.com

 

僕の新たな恐怖は

 

「会社を半年も休んで、何、薄毛治療しちゃってるの?」

 

と他人から思われる恐怖(不自然に増えた髪の毛を見て他人から笑われる恐怖)でした。

 

そう思われないために、今度は髪の毛を薄く見せなきゃいけないという強迫観念に悩まされ始めます。

 

結局、髪への執着は違った形で残ったままだったのです。

【第16話】告白

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こんにちは。shu-changです。

 

カム子さんと週末に会っていた僕は、徐々に彼女に惹かれていく中、このまま、自分が病気であることを伏せたまま、会い続けて良いのか悩みました。

 

彼女はお見合いという形で僕と会っているわけで、僕の病気が障害になるのであれば、このまま隠したまま会い続けていくのは、彼女の時間を無駄にしてしまうと思ったからです。

 

そして僕は自分の状況をカム子さんに告白する決断をしました。

 

「周囲の目が怖くなって、職場にいられなくなり、今、会社を休んでいます。こんな状況でお会いしてすいません。」

 

ただ、その時は「薄毛」の部分について打ち明けることはできませんでした。

 

「薄毛」の部分を告白すれば嫌われてしまうと本気で考えていたからです。

 

結局、自分は都合の良い部分だけしか彼女に打ち明けることができませんでした。

 

ただただ弱かったんです。

 

しかし、カム子さんは自分の今の状況を受け入れてくれた上で

 

「会社辞めて、私と結婚しませんか?私養うんで。」

 

という男前な言葉をかけてくれたのです。

 

その時、彼女と結婚するために病気を克服して復職する。ことが僕の目標になりました。

【第15話】肯定

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こんにちは。shu-changです。

 

茶店で話が盛り上がった僕とカム子さんはその足で居酒屋に行くことになりました。

 

彼女は包み込むような優しさがあり、とても話しやすい女性でした。

 

4コマ漫画に書いたように、事前に僕が薄毛で病んでいることや僕の弱さをまるで知っていて、見透かされているかのようでした。

 

僕はこのような状況でこの人と出会えたことに何か運命のようなものを(勝手に)感じました。

 

そして何より(こちらも勝手に)自分を肯定されているように感じたのです。

 

 

醜形恐怖症の治療において、自己肯定感の向上が症状を和らげることがあるそうです。

どのように自己肯定感を高めるのか?ですが、例えば

 

  1. ペットを飼う。→自分を必要としてくれる存在がいることで自己肯定感が高まるといわれています。
  2. 同じ悩みを持つ人と会う。→自分の悩みを理解してくれる存在がいることは自己肯定感の向上につながります。今はSNS等で同じ悩みを持つ人とすぐに繋がれる時代です。同じ悩みを持つ人たちの集まりに勇気を出して行ってみるのもいいかもしれません。もちろん同じ悩みを持っていなくても自分を理解してくれる家族や友人でもいいです。
  3. 熱中することを見つける。醜形恐怖症の患者によくあることらしいのですが、急にパタリと診察に来なくなることがあるそうです。その場合は大体が、新しい環境に飛び込んだり、熱中することを見つけ、周りに自分を評価してくれる存在が増えていくことによって症状が和らいでいる場合が多いそうです。

 

等があります。

 

闘病中の僕も、小さな一歩を踏み出すことによって自分を肯定してくれる人とたくさん出会うことができました。

 

もし、今同じような悩みを持っている方がいらっしゃいましたら、できる範囲で、少しずつで良いので行動し、行動できたら自分を褒めてあげて下さい。

 

必ず、自分を肯定してくれる人に出会えると思います。

【第14話】出会い③

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こんにちは。shu-changです。

 

「積極的に外出して人と関わる」ように医者から言われていた僕は、母親から持ちかけられたお見合い(?)に行く決断をしました。

 

そして初対面は近所のショッピングモールの喫茶店で一対一で会うことになりました。

 

母親からの情報は「税理士をやっている」、

エステ店の店長さんからの情報は「綺麗な人」でした。

 

そんなうまい話あるのか?と思いつつ喫茶店で待つこと数分。時間が来ても誰も来ません…。

 

周りを見渡しても店内はご老人の集団が一組。

 

ドタキャンされたかなと思い、少しほっとして席を立とうとした瞬間でした。

 

「shu-changさんですか?」

 

目の前に司法書士をやっている綺麗な女性が立っていました。

【第13話】外出せよ

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前回までのあらすじ↓

 

頭頂部の薄毛が原因で人目が怖くなり、会社に行けなくなってしまったshu-changは会社を休職し、治療を開始したのだが…。

 

医者から提案された治療法は以下

  • できる範囲で人目の多い(頭をさらけ出せる)場所に積極的に出ていき、人と絡む。
  • 手鏡を捨てる。極力鏡を見ない。
  • 薄毛治療をやめる。(ただし薄毛に執着しないで、ビタミン剤感覚で飲むなら可とのことだったので継続。)
  • SSRIと呼ばれる抗うつ薬の服用
  • 認知行動療法等の心理療法

 

こんにちは。shu-changです。

 

治療から2ヶ月程経過した頃です。

 

抗うつ薬心理療法等の効果が出てきて、体が徐々に安定してきました。

 

皮肉にも薄毛治療の効果が出てきたことも精神の安定につながってきたのだと思います。(鏡では確認してませんでしたが、触った感覚が変化していました。)

 

少しずつ自信を取り戻しつつありましたが、一つだけ足りてないことがありました。

 

そう、


できる範囲で人目の多い(頭をさらけ出せる)場所に積極的に出ていき、人と絡む

 

ことです。

 

体の調子が良い時は少しずつ近所を散歩したり、買い物に行ったりしていたのですが、家族や病院関係者以外の人と接することはほとんどありませんでした。

 

そんな時に上記の母親の発言です。

 

耳を疑いました。

 

「あなたは病人にお見合いをさせる気ですか?病人を紹介される相手の気持ち考えてますか?」(←shu-changの心の声)

 

うちの母親は少し独特な感性を持っており、話をどう聞いてもお見合いなのですが、「固く考えないでお友達になればいいじゃない。」と言うのです。

 

話が通じない母親に呆れ果てた僕でしたが、普段では思いつかない考えが思い浮かびました。

 

「待てよ。人生経験の一つとしてお見合いをしてみるのも悪くないか。どうせ断られるだろうし。」

 

そしてこの決断が闘病中、最も大きな出会いに繋がります。

【第12話】曝露療法

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こんにちは。shu-changです。

 

前回に引き続いて、役に立った治療法です。

二つ目は曝露療法でした。

 

その字の通り、曝露する(自分の苦痛や恐怖について立ち向かう事で苦痛を和らげる)治療法で、実際に曝露する方法と自分の頭の中で曝露する方法(想像曝露)があるとの事でした。

 

他人になかなか悩みを言えないタイプの僕は後者の想像曝露を教わりました。

 

以下、簡単な手順です。

 

  1. ストレスを感じた出来事とその時感じた感情の辛さを100点満点で表す。(100点が一番辛い)
  2. ストレスを感じた出来事についての最悪のシナリオを連想して作る。
  3. 2を何回も紙に書く、もしくは録音して何回も聞く(録音の方が効果が高い。)
  4. 最初に感じた感情の辛さを100点満点で表す。

 

僕を例にやってみますね。

 

  1. 薄毛を馬鹿にされた。他人の目が怖い 辛さ70点
  2. 最悪のシナリオ→薄毛を馬鹿にされた→他人の目が怖くなった→会社の人が自分をバカにするようになった→会社で孤立するようになった→仕事を回してもらえなくなった→会社をクビになり引きこもりになった→家族からも見捨てられ一文無しになった→ホームレスになった→諸々のストレスで頭がつるっ禿げになった→自殺した。(書いてて虚しくなってきました…が、当時の僕はこのようなシナリオをたくさん書きました。)
  3. 省略
  4. 最初に感じた怖さ 30点

 

という感じですね。

 

要するにどん底まで下げて、上げる治療法です。

 

この治療法も録音を何回も聞いているとバカバカしくなってきます。

(先生に言わせるとそれぐらい感じるようになってようやく人の認知が変わってくるとのことでした。)

 

そして、最初に感じた辛さが気にならない程度の点数になれば、その出来事については克服、となります。

 

なお新たにストレスを感じる出来事が発生した場合はその出来事ごとに同じ手順を繰り返す必要があるとのことでした。

 

それにしても、看護師さんに治療法を教わり、薄毛だなんだのと書いていた自分は今になっても恥ずかしい…。恥ずかしさ80点。よし、想像曝露だ!笑

 

※今更ですが、このブログで書いている治療法や医学知識は、自分が治療を受けた時の記憶を元に、自分なりに解釈して書いているので、実際の定義とは違う可能性が大いにあります。念のため…。

【第11話】認知行動療法

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こんにちは。shu-changです。

 

休職中は2週間に1回通院し、状態が安定してきてからは病院がやっているデイサービスに通いました。

 

その中でいくつか、精神疾患に有効な治療法を学びました。

 

特に役に立った治療法の一つが認知行動療法です。

 

簡単な手順はこうです。

 

  1. ストレスを感じた出来事を書き出す。
  2. その際に感じた考え(=自動思考で考え方の癖です。)、感情を書き出す。
  3. 2以外に客観的に見て他の考えがないか考え、書き出す。(その際、友人に同じ悩みを相談された時、自分ならどのように助言するか、を考えると浮かんできやすい。)
  4. 別の考えを出してみて自分がどう感じたかを確認する。

 

僕の場合で言うと例えば

 

  1. 薄毛をバカにされた。
  2. 薄毛は恥ずかしいことである。他人の目が怖い。
  3. 薄毛の人は世の中にたくさんいるし、恥ずかしいことではない。他人は思ってるほど自分には興味がない。
  4. 確かに数人に言われただけでみんなが自分のことをバカにしているわけではない。バカにする人は放っておけば良いんだ!

 

  1. 薄毛が理由で病んだ。
  2. 馬鹿なことで休んだ。恥ずかしい。
  3. 薄毛で自殺する人もいる。成人男性の約3割は薄毛で悩んでいるというデータもある。馬鹿なことでも恥ずかしいことでもない。
  4. 理由はどうあれ、病んで休むことは当たり前の事。自殺しなくて良かったね!

 

ということになります。

 

一回書いただけでは簡単にそう思えないのですが、何回も書く、録音して何回も聞くことを繰り返すと、不思議なことに途中から徐々にそう思えてきます。というかバカバカしくなってきます笑。

 

これは精神疾患の人に限らず、日々ストレスがたまっている人や、自分がネガティブだと思っている普通の人でも効果があるのでおすすめです。

【第10話】自宅療養

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 こんにちは。shu-changです。

 

休職後の初期はほぼ毎日、泥のように眠りました。

(主治医の先生からは、神経が過敏になりすぎた結果、体が休むことを求めているので

寝れるだけ寝て下さいと言われました。)

 

ひどいめまいや動悸、倦怠感を感じて憂鬱になり、そして馬鹿みたいなことで会社を休んだ自分を責め続けて、また憂鬱になりました。

 

人生終わったなと思いました。

 

※今、考えると病んで会社を休職することは何も珍しいことではありませんし、人生も大して変わらないので大丈夫です。 一番やってはいけないのは深刻な状態になるまで我慢して壊れてしまうことです。 そうなる前にさっさと診断書をもらって休職するか、会社を辞めましょう。

 

2週間程経つと、抗うつ薬の効果が出てきたのか、少しずつ精神状態が安定していきました。

 

そして休職からさらに2ヶ月ほど経ったころでしょうか。

髪が…生えてきたのです!(薄毛治療をしているのだから当然か…。)

 

しかし、髪が生えてきても体が覚えている恐怖感はなかなか取り払うことができませんでした。

【第9話】出会い②

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こんにちは。shu-changです。

 

闘病中にあった良い出会いの二つ目は、主治医の先生との出会いでした。

 

・薄毛を必要以上に悩みすぎて、日常生活に支障をきたしている。

・他人の目が怖くて外出や会社にいることが出来ない。

・何度も手鏡で頭頂部を確認してしまう。

・薄毛治療の初期脱毛によってさらに薄毛を悩む悪循環に陥っている。

 

という僕の症状に対して、先生は全ての症状が「薄毛の恐怖を取り除いて、安心したいという回避行動」であると説明しました。

 

回避行動とは強い精神的な苦痛を思い出すことを避けようとする行動のことです。※鏡を確認することは、回避行動なの?と思うかもしれませんが、何回も薄毛を確認することによって、精神的な苦痛から逃れたい、という意味でこれも回避行動になるそうです。(うまく説明できてますかね…。)

 

 これらの回避行動を一つ一つ取り除いていくことが治療に必要で、

 

・できる範囲で人目の多い場所に積極的に出ていく。

・手鏡を捨てる。極力鏡を見ない。

・薄毛治療をやめる。(ただし薄毛に執着せず、ただのビタミン剤の感覚で飲むなら可)

 

ことを先生から提案されました。

 

また、醜形恐怖症の症状を和らげる効果があるSSRIと呼ばれる抗うつ薬を処方されました。

medical.nikkeibp.co.jp

 

こうして病院でもらった診断書を会社に提出した後、僕の抗うつ薬と薄毛治療薬の併用というよく分からない闘病が始まることになったのです。

 

※僕は運良く最初に良い先生と出会えましたが、こうした心療内科や精神科の医者こそ、相性が大事だと思うので、もし今通っていて、合わないと感じる方は病院を変えることをお勧めします。

 

また心療内科は自分が思っていたよりも敷居が低かったので、他人に言えない悩みを抱えていたり、精神的に消耗している場合は受診してみると良いと思います。

【第8話】そして休職へ

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こんにちは。shu-changです。

 

薄毛をカバーする髪型に挑戦する等して、少し持ち直したかのように思えましたが、日々の脱毛、細毛化はどんどん進んでいき、とうとうどの角度からも地肌が透けて見えるようになってしまいました。

 

薄毛治療を始めてから2ヶ月程経った頃です。

(何度も言いますがこれは初期脱毛と言って薄毛治療をした際には起こりうる現象です。)

 

この頃には周りが常に自分の陰口を言っている被害妄想が強くなり、極度の対人恐怖症のような状態になっていました。鬱っぽい感じもあったと思います。

 

休日もほぼ外出できず、何も手につかないため、しばしば親に下宿先に来てご飯をつくってもらったりして、何とか会社には行くという状況でした。

 

そうした状況が見かねた姉がくれたアドバイスが当時の僕を救ってくれました。

「あんたはバカみたいなことで悩んで他人には言えないというけど、辛いのは事実なんでしょう?結局他人は見て見ぬふりで何もしてくれないよ。自分の身は自分で守らなくちゃ。本当にもう限界と思ったらきちんと上司に話して会社を休みなさい。」

 

そしてとうとう会社の席に座っていられない状態にまでなった僕は、上司に状況を打ち明けました。

 

「薄毛が気になりすぎて、会社にいるのが辛いので休ませて下さい。」

 

こんな相談をされた上司が果たして世の中に何人いるでしょうか。

 

自分が勝手に他人の一言を気にし過ぎて、勝手に間違った薄毛対策や薄毛治療をして、髪を薄くして、人目に耐えられなくなったので休ませて下さい?

消えてなくなりたかったです。本当に…。

 

それでも上司は顔色一つ変えることなくしっかりと話を聞いてくれました。

「心がきっと疲れちゃったんだな。自分の体が第一だから仕事の事は気にしないでまずは休め。」

と言ってくれたのです。

 

そして産業医に紹介状をもらい、受診した心療内科で診断書をもらった僕は会社を休むことになりました。

【第7話】出会い①

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こんにちは。shu-changです。

 

醜形恐怖症を患っている間にあった、良い出会いの一つが、姉に紹介してもらった美容師との出会いでした。(現在も時々、通わせてもらっています。)

 

薄毛で悩んでいると、床屋や美容院に行くのが億劫になりがちですが、薄毛は髪が伸びれば伸びるほどその透け具合が目立ってくるので行かざるを得ません。

 

いまいち心を許せていない美容師さんや、初めての所だと、席に座っているだけで何か気まずい思いをしてしまうものです。

 

しかし、その美容師さんはご自身も薄毛で悩んでいらっしゃったので、自分の髪型含め、いかに薄毛をカモフラージュする髪型にするかということに長けている方でした。

 

薄毛で悩む男性で、髪を短く切ることに抵抗があり、(僕も最初はかなり抵抗がありました…。)髪を伸ばしっぱなしにした結果、寂しい頭頂部に対して、側頭部と後頭部のボリュームが増え、なおさら薄毛が目立つ、みたいな残念な方がいらっしゃいますが、薄毛の人こそ短髪にすべきです

 

勇気を出して、自分は薄毛で悩んでいるんだけれども、目立たなくなるような髪型におまかせでしてもらえないか相談してみると、散髪後、意外と世界が変わるかもしれません。

 

僕も長めの髪型の時よりは短髪の時の方が、薄毛のことが気になりませんでした。(多少は気になるんですけどね…。)

 

あと何より大きかったのが悩みを共有できたということです。

 

薄毛の悩みは人になかなか言い辛い悩みであるとともに、何故か変に周りが気を使い消耗することがあります。

 

薄毛をネタにできる強い人は良いのですが(そもそも何でネタにしなきゃいけないのかわからないですけど…)、内向的な人は本当に辛い…。

 

ですのでなおさら、内向的な方で、周りにばれないように薄毛治療をするのは個人的にオススメしません。(だいたいばれます。)

 

あと、人って他人に相談できない悩みを自分で抱え込みすぎて、どんどん状況が悪くなってくると病みます。当たり前ですが…。

 

なので近くに誰でも良いので、悩みを吐き出せる人がいるということは本当に重要だなのだなと感じました。

【第6話】恐怖

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こんにちは。shu-changです。

 

間違った(?)薄毛対策をして薄くなった頭に、薄毛治療の初期脱毛は更に追い討ちをかけていきました。

 

クリニックで言われた「少し抜け毛が増える」レベルではなく、触れば抜け落ちる髪の毛、そして何より髪がどんどん細くなっていく恐怖は冗談ではなく人生で一番の恐怖体験でした。

 

マンガで書いた他にも

・頭皮が透けて見える照明の下にいることが恐怖

・汗をかいて頭皮が透けるのが恐怖

・濡れた頭を見るのが恐怖

・とにかく周りに人がいることが恐怖

 

に感じるようになっていきました。

(考えすぎで気持ち悪いかもしれませんが、本人は本当に気が狂いそうになるほど恐怖を感じているのです。)

 

その後、友人との約束をドタキャンしたり、休日は引きこもることが多くなっていきました。

 

ここまで病んでいった原因には、近くに心から気を許して相談することができる友人や家族がいなかったこともあるかもしれません。

 

しかし、人生とは不思議なものでどん底に落ちている時にも、それを調整するように良い出来事や良い人との出会いがこの後待っているのです。