こんにちは。shu-changです。
本の紹介も6回目になりました。今回は「自分の顔が嫌いですか」です。
今回の本も1回目に紹介した「身体醜形障害」と同様、精神科医の著者が醜形恐怖症患者の症例を紹介しながら、醜形恐怖症について解説しています。(こちらの方が症例多めです。)
「読んで楽になった本」として紹介していますが、もちろん自分がこういう性格の傾向があり、醜形恐怖症になったんだなと分かり、楽になった部分もあります。
しかし、症例によっては読んでいて、(自分が何となく共感できるからかもしれませんが)辛くなってしまう部分もありました。
なお、髪の毛へのこだわりはアメリカの醜形恐怖症患者だと約63%もの割合を占めるそうです。
【内容】
アメリカ精神医学会の診断基準で醜形恐怖症は以下のように定義されています。
- 「本人が醜いとする身体の部位がある」ということ
- 鏡による確認や身づくろいなど同じ確認行動が繰り返され、過度に他人と自分を比較するということ
- その外見のとらわれによって苦痛が生じ、社会的、職業的領域において機能の障害が起こっているということ
また醜形恐怖症患者の約80%がうつ病を併発していると言われており、その他にも不安障害(社会恐怖)や強迫性障害や妄想障害を併発しているケースが多いと言われています。
本書では「顔の左側」「顔の色」「目」「脚の長さ」「オカマのような顔」「シミやそばかす」「縮れ毛」「顎の細さ」「頬の赤さ」「眉毛」「ペニスの大きさ」等で醜形恐怖症を患った患者の症例が紹介されています。
軽い恐怖症のレベルの症状であればSSRIと呼ばれる抗うつ薬や認知行動療法等の精神療法が比較的効果を示しますが、重度の強迫観念や妄想傾向の強い症状だとSSRIや精神療法はあまり効果を示さないことが多いようです。
また醜形恐怖症になりやすい性格として、
- 否定的自己認知
- 対人過敏
- 強迫的思考
の三つを挙げています。
【どんな人が読んだら良いか】
- 自分の体の一部分をひどく醜いと感じ、自分は病気なのではないか?と感じる人
- 家族が体のコンプレックスに対して異常な悩み方をして困っているという人
※1回目に紹介した「身体醜形障害」よりは重い内容なので人を選ぶかも。
【学んだこと】
- 対人関係の劣等感が自分の美醜感に歪みを与える場合があるというのはまさにその通りだなと思いました。(ささいな一言や、環境が変わったばかりの状況が発症の原因となることがある。)
- 醜形恐怖症になりやすいパーソナリティー障害がいくつか紹介されています。自分は回避性パーソナリティー障害(簡単に言うと大切に大切に育てられて、人の間でもまれた経験が乏しく、当然ちょっとしたことでも傷つきやすく、自分が大事にされるような場所でなければ、行こうとしない人間)の気があるなと思いました。その事を主治医に話したところ「パーソナリティーなんて年をとる過程で変わる可能性があるんだから決めつけるのは良くない」と言われました笑
- 美容整形技術の発達により醜形恐怖症の発症数は年々下がってきていると言われています。救われる人もいますが、何回も繰り返して病んでしまう人もいるので良いのか悪いのかという感じです。(自分がそれっぽい治療に手を出して病んだだけに…。)